就活ルール廃止に思うこと
先日、経団連の会長が「就活 ルール撤廃を検討」との報道が出た。
就活生界隈、人事担当者の中ではもちろん物議を呼び、議論が熱く交わされている真っ最中だ。
今日は、この「就活ルール撤廃」について、二度の就活経験がある女子大生としての視点を生かし、意見をまとめていきたい。
そもそも就活ルールとは?
就活ルールは、経団連に属する企業の新卒採用スケジュールについて制限をかけていた。目的は、就活の早期化を防ぎ、大学生が学業と両立しやすくするため。
例えば直近で言えば、15年卒以前は三年生の12月に採用広報活動解禁で4月から選考開始、
16年卒から大きく変わり、3月解禁、8月に開始。17卒以降は3月解禁、6月開始になった。
今回転換点になっているのは21卒で、現在の大学二年生の中で、ストレートに4年で卒業する予定の学生である。
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無視してもいいルールなんか作るな
これが私の本音である。一般の学生の二倍の時間就活してきた経験に基づく本音である。
・現在この就活ルールを破っても罰されるような規則はない。
・’’面談’’という表現であれば、実質選考だったとしても、選考開始時期以前であっても表面上問題なし。
・そもそもベンチャー企業は経団連に加入していない。
という点において、就活ルールは有名無実化していた。
実際、3月の解禁前から堂々と接触を図ってくる企業は多かったし、8割以上の面接は6月以前に経験した。一方で、無駄にそのルールを守り抜く企業も大手を中心に存在し、就活が無駄に長引く一員となった。
ルールがあることで、就活生はやりにくさを感じ、わだかまりを抱いている。
いっそのこと撤廃してしまえ。
解禁が12月から3月になったら、むしろ早期化
理由はインターンシップが盛んになったから。企業はインターンを開催することにより、優秀な学生を囲みこみたいのである。(就業体験をさせて採用ミスマッチを防ぐという目的は薄いだろう)
このせいで、3回生の5.6月から動き出す人が年々増え、むしろ早期化しているではないか。
3回生といえば、部活やサークルの中心であることが多く、授業もある程度あるだろう。甚だ迷惑な風潮である。
ルール撤廃で早期化の懸念
かといってルールを撤廃してしまうと、早期化を進めてしまうのは確実だろう。今まで有名無実化していたものの、就活ルールによって少しは早期化に歯止めをかけていたから。
こうなったら、大学入学と同時に就活のことを考え始めなければいけない。下手をしたら高校生の段階で行動しないと遅れをとるかもしれない。
大学が教育機関ではなく、就職のための訓練校にますます成り下がるだろう。学問を修める機関ではなくなる。
(ただ、学問に力を入れたって、内定に直結しないという現実も、一考に値する。特に文系はね。)
既卒就活にしようよ。
大学卒業後に就活スタート!という案。その方が納得行く人多いのでは?
在学中に、学生生活と就活を両立させようとするから問題が起こるのであり、弊害も多い。
卒論や研究を終え、部活やサークルから身を引き、就活に専念できる。最も理想的な環境では?
これからの日本を長く支えていくのは、現在学生である私たちである。
そんな私たちの将来を大きく左右する就活制度において、少しでもこちらに寄り添いこちら側を交えて意見を交わして欲しい。
企業の都合ではなく私たちの意見を聞いてほしい。